新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、多くの企業で在宅勤務への移行が進められています。そのため、自宅で一日中パソコンとにらめっこしているという方も多いかもしれませんね。
そんな方に注意して頂きたいのがVDT症候群(テクノストレス眼症)です。

VDT症候群(テクノストレス眼症)とは?
VDT症候群は、パソコンなどのディスプレイを使った長時間の作業を続けた時に起こる身体・精神的症状の総称です。
VDTは「Visual Display Terminal」の略で、コンピューターなどのディプレイと端末を指します。
パソコンやタブレットなどを使用していると、長時間同じ姿勢でいることも少なくなく、精神的疲労や肉体的疲労につながるのです。
VDT症候群の症状は?
VDT症候群になると、目の疲れをはじめ、心身に様々な影響が出ます。
<身体的な症状>
眼精疲労、ドライアイ、肩こり、頭痛、倦怠感、食欲不振など
<精神的な症状>
不眠、憂うつ感、イライラ、不安など
また、症状がひどくなると心身症やうつ病を引き起こす場合もあるので注意が必要です。
≪関連コラム 職場のストレスによって起こりやすい心身症とは?≫
VDT症候群の原因は?
長時間のVDT作業により、同じ姿勢でいる時間が長くなり、首、肩、腕などの筋肉が緊張しやすいことがVDT症候群の原因と考えられます。
また、VDT作業では、視線が画面とキーボード(時には書類)を移動することが多いので、文字の読み書きよりも目が疲れやすくなります。集中して画面を見続けることによって、普段よりも瞬きの回数は、約4分の1に減少するとも言われています。
それ以外に、斜視がある場合や、画面の液晶モニターに使われているブルーライトも、VDT症候群を引き起こす一因になります。
VDT症候群の予防・対策法は?
VDT症候群を防ぐには、長時間のVDT作業を避けるのが一番なのですが、昔と異なりパソコン作業を伴う業務は激増していますし、職種によっては1日中VDT作業をしなくてはならないということもあると思います。
その場合には、作業環境を整えることが大切です。また、自分の作業スタイルも見直してみましょう。
<おすすめの作業環境>
以下を参考に、作業環境を整えてみてくださいね。

引用:参天製薬 目の情報ポータルhttps://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/
<おすすめの予防・対策法>
1、1時間ごとに10分~15分休憩する
休憩に携帯電話をチェックする人も多いと思いますが、携帯電話もパソコンと変わらないので、休憩になりません。
休憩中はできるだけ、携帯電話やパソコンからは離れ、遠くの景色を眺めたり、目を閉じたりして、できるだけ目を休めるようにしましょう。忙しい時には、目を1分間閉じるだけでも、目が休まりますよ。意識的にまばたきするのも、乾き目対策になります。
2、ストレッチをする
作業の合間には、適度に体を動かし、緊張をほぐすようにしましょう。 体を動かせば、血行もよくなります。以下のストレッチを参考にしてみてくださいね。
○首筋を伸ばすストレッチ

伸ばしている方の肩は下げるようにすると効果的です。
○肩周辺のストレッチ

できるだけ体を傾けないようにしてください。
○腕・肩周辺・背中のストレッチ

1、顔を下に向けないようにしてください。
2、肩を後ろに引くことを意識してください。
3、胸を引っ込めるように行ってください。
ストレッチ参考:運動指導専門研修テキストⅡ(中央労働災害防止協会)
キーボードやマウスから一度手を離し、身体の両脇に両腕をたらして、手や腕を休ませたり、首や肩をゆっくり回したりするのも効果があります。また、部屋の中を歩き回ったり、30分に1度立ち上がったりするのも良いでしょう。
3、度のあったメガネをつける
近視などがある場合は、度のあったメガネやコンタクトレンズをつけるようにしましょう。
コンタクトレンズは目が乾きやすくなるので、テレワークなどで支障がないようならメガネをかけることをおすすめします。
また、ブルーライトから目を保護できる専用メガネもありますので、目の疲れが気になる方は、こちらを利用するのも良いでしょう。
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もし、「症状が重く長引いてつらい」「体だけではなく、精神面にも支障をきたしている」といった場合は早めに病院に行って診てもらうようにしましょう。
会社にいると、なかなか休憩を取りにくいこともありますが、自分で自由に休憩を挟めるのがテレワークの長所かもしれませんね。
≪関連コラム ただ今休憩中!職場の休憩、きちんと取れていますか?≫
反対に、自宅にいるからこそ休憩することを忘れて、つい作業に没頭してしまう・・・ということもあるかもしれません。
そんな時におすすめなのがタイマー。例えば、1時間後に設定し、タイマーが鳴ったら少し休憩を挟むというやり方なら、強制的に休むことができます。タイマーと検索すると、パソコンの画面上で無料で使えるものが出てきますので、ぜひ活用してみてくださいね。
ライター紹介:かたこりこ
大学では心理学を専攻。卒業後は、ラジオ番組の原稿やフリーペーパーの執筆、教科書系出版社勤務などを経て現在に至る。趣味は読書、映画・お笑い鑑賞。東京都出身。冬生まれだけど、寒いのは苦手です。