「いつも他人からどう見られているかが気になる」「すぐ人に嫉妬する」「過去の失敗を引きずりやすい」今、当てはまる!と思った方は、もしかしたらメンタルが弱っているのかもしれません。
今回は、心の弱点やそれを解決する方法についてご紹介します。

あなたのメンタルタイプは?
まずは、あなたのメンタルタイプを探ってみましょう。
以下の項目から当てはまるものをチェックしてみてください。
1.□良かれと思ってしたアドバイスが、モラハラと受け取られやすい。
□短気な方だ。
□上から目線の発言をよくしてしまう。
□自分の意見を曲げることは少ない。
□売り言葉に買い言葉で反応してしまいがちだ。
2.□休日でも仕事のことが頭にある。
□不満があっても口に出せない方だ。
□叱られた時には落ち込みを引きずりがちだ。
□トラブルがあった時には、自分に責任を感じてしまう。
□前回と違うことを人から言われた時でも、言われた通りに物事をこなす。
3.□苦手意識のある人とはうまくコミュニケーションが取れない。
□仕事よりもプライベートを優先する。
□熱心に物事に取り組んでいる人を一歩引いた目で見がちだ。
□自分では頑張っているつもりなのに、あまり評価されない。
□平日の自分と休日の自分は別人だと思う。
4.□急を要さないことは、翌日以降に回すことが多い。
□嫌なことがあると、飲酒してしまいがち。
□ダラダラして一日が終わることがある。
□苦手な人から連絡が来た時には後回しにしてしまう。
□プレッシャーを感じた時、普段はやらないようなことをしたくなる。
さて、最も多くチェックが入ったのは、1~4のうち、どれでしたか?
一番多かったものがあなたのメンタルタイプです。もし同数だった場合は、重複タイプになります。
あなたのメンタルタイプの弱点は?
では、メンタルタイプ別に、弱点を見ていきましょう。
<1にチェックが多かった人>
1に当てはまるものが多かった人は、直情型。自分の思い通りに物事が運ばないと、イライラしやすくなり、時に爆発することも。不満を感じた時には、ストレートに口に出します。よく言えば、情熱的でエネルギッシュなのですが、下手をするとハラスメントの加害者というレッテルを貼られる可能性もあります。
<2にチェックが多かった人>
2に当てはまるものが多かった人は、自制型。不満を抱いても、グッとこらえます。自分が我慢すれば、物事がスムーズにいくと考え、受動的に対応することが多いです。そのため、傷つきやすく、うつ病になる可能性も。空気を読むのが得意で、頭もきれますが、何でも理性的に捉えてしまうため、心が悲鳴を上げてしまうこともあります。
<3にチェックが多かった人>
3に当てはまるものが多かった人は、自己防衛型。嫌なことがあった時には、自分を必死に守ろうとします。例えば、仕事で失敗すると、「この仕事を自分に与えた上司が悪い」などと責任転嫁をします。能動的に動くことのできるタイプで、ストレスで会社に行きたくないと思っても、休日は元気に外出できます。そのため、現代型うつに陥る可能性もあります。
<4にチェックが多かった人>
4に当てはまるものが多かった人は、逃避型。締切間近の仕事がある時に、まったく関係ないことを始めてしまいがち。例えば、「まずは机を整理してから」と掃除を始めたのに、漫画に夢中になってしまったり…。必要なメールの返信も、後回しにしがちです。不安を抱いても、受動的にしか動きません。ひたすらストレス要因から逃避しようとします。そのため、周りに迷惑をかけてしまうこともあります。
何らかの出来事が起こった時に、不満を感じる傾向があって、それを外に発散するのが1のタイプ、自分の中に抱え込むのが2のタイプです。また、出来事が起こった時に、不安を感じる傾向があって、それを行動に移すのが3のタイプ、行動せずに逃避するのが4のタイプです。
もし、どのタイプにもあまり当てはまる項目がなかった場合は、普段ポジティブな認知ができている方かもしれませんね。
物事の認知の仕方によって、行動も変わってくる!?
この4つのタイプ分けは、認知行動療法のABC理論に基づいたものです。認知行動療法とは、認知の歪みや、自分自身の思考パターンを見直し、心理状態の改善をはかる治療法のことを言います。
ABC理論のAは、Activating event(出来事)、Bは、Belief(信念、固定観念)、Cは、Consequence(結果)を表します。Aが起こることによって、それが直接Cにつながるわけではなく、必ずBを通してCにたどり着くと考えられています。
例えば、あなたが今いる職場で部署異動することになったとします。その時にあなたはどう思いますか?「仕事ができないからだ…」とマイナスに捉えますか?それとも「新しいことにチャレンジできるかも!」とプラスに捉えますか?
皆さんの多くは、最終的にとった行動の原因は、起こった出来事によると考えるかもしれませんが、実はそうではありません。その人それぞれの認知の仕方によって、そのあとの結果にも大きく影響すると言われています。先ほどの例で説明しますと、ポジティブな認知をすることのできる人は、大抵結果もよいものにつながります。反対にネガティブな認知しかできない人は、よい結果につながることも少ないです。
普段自分が、どちらの認知をする傾向にあるのかを考えてみると、メンタルの弱点を客観的に捉えることができるようになってきますよ。
メンタルの弱点を克服するための方法は?
それでは、どうすれば、この認知と行動の弱点を克服することができるのでしょうか。タイプ別に見ていきましょう。
<1の直情型の人>
直情型の人にオススメなのはアンガ―マネジメントというメンタルトレーニングです。アンガ―マネジメントは、1970年代にアメリカで生まれたメソッドですが、今では企業や一般向けのセミナーなどで、世界的に行われています。このメソッドを学ぶことで、自分自身の怒りの原因がわかり、感情をコントロールしやすくなります。
ここでは、簡単に出来るアンガ―マネジメントをご紹介します。
怒りを感じた時には、まずは6秒間、心の中で数をカウントしてみましょう。そうすることによって、気持ちも落ち着きますし、売り言葉に買い言葉で反応してしまうことも避けられます。
また、怒りを感じた相手の服装に注目するなど、別の事柄に意識を持っていくと、怒りから気持ちをそらすことができます。他には、相手がいるその場所から一度離れるという方法も有効です。
<2の自制型の人>
自制型の人にオススメなのは、カタルシス(心の浄化)の経験を積むこと。不満を感じた時に、自分の中に抱え込むのではなくて、仲の良い友人や家族に愚痴を言って吐き出すことが大切です。口に出すことで、頭の中を整理することができます。また、自分が今感じている不満を紙に書き出したり、カラオケなどで発散したりするのも有効です。とにかく、抱えているモヤモヤを発散することに集中するようにしてみてくださいね。
<3の自己防衛型の人>
自己防衛型の人にオススメなのは、運動習慣を身につけることです。中等度以上の運動には、不安を和らげる作用があると言われています。また、1週間に3時間程度の運動を行うと、抑うつが改善することも分かっています。散歩などの軽い運動ではなく、ボルダリングやランニング、マリンスポーツなどが有効です。油断すると怪我をしてしまうくらいの運動をすることで、集中力が増し、日常のストレスから解消されやすくなります。
<4の逃避型の人>
逃避型の人にオススメなのは、マインドフルネス。マインドフルネスは、マサチューセッツ医科大学の教授であるジョン・カバット・ジン氏が開発したもので、「今この瞬間」に集中し、自分の感情に気づく力を身につけることを目的としています。
今から始められる、簡単なマインドフルネスの方法をいくつかご紹介します。
1.スマホやパソコンなどのメディアから入る情報を一定の時間カットする。
2.食事は一口一口しっかり味わいながら食べる。
3.正しい姿勢を意識する。
4.3秒かけて、鼻から息を吸う。2秒止めた後で、今度は5秒かけて口から息を吐く。
呼吸法を身につけて「今」に集中することで、集中力やひらめきが向上し、仕事のパフォーマンスも上がると言われています。
いかがでしたか?重複タイプだった方は、該当する複数の方法を取り入れてみてくださいね。
ストレスフルな現代社会の中、誰もが大なり小なりの悩みを抱えていると思いますが、今回ご紹介した方法を実践して、ぜひメンタルの強化をはかってみてくださいね。
<参考書籍>
Tarzan(ターザン) 2019年6月27日号 No.766 「カラダの弱点克服メソッド」
怒りの心理とアンガーマネジメント
マインドフルネスと心理学的「自動操縦状態」
ライター紹介:かたこりこ
大学では心理学を専攻。卒業後は、ラジオ番組の原稿やフリーペーパーの執筆、教科書系出版社勤務などを経て現在に至る。趣味は読書、映画・お笑い鑑賞。東京都出身。冬生まれだけど、寒いのは苦手です。